仮想通貨の取引や株式などの売買を行っていると、色々な専門用語を目にすることになります。
それらの用語は、一般の方には馴染みのないものがほとんどです。
例えば、IPOとICOという似たような用語がありますが、これは仮想通貨や株式に関心のない方には全く理解できないと思います。
ここでは、IPOとICOについてまだ知らないという方のために、その意味や両者の違いについて説明していきたいと思います。
IPOとは
株式投資をされている方にとって常に関心の対象になっているのがこのIPOです。
IPOとはInitial Public Offeringの略で、これらはそれぞれInitial(最初の)、Public(公開の)、Offering(売り物)を意味しています。
日本語では新規公開株式と訳されています。
IPO(新規公開株)は、企業が一般の投資家に対して新たに自社の株式を購入してもらうために行います。
要するに、資金調達の方法ということです。
IPOの企業側から見たメリットは、何と言っても新たに資金を得られるというところにあります。
一方、投資家(株主)から見た場合には次のようなメリットがあります。
- 手数料をかけずに株式を取得できる
- 通常の株式よりも割安の公募価格で取得できる
- 上場後に大幅に値上がりする株式が多いため、大きな利益を期待できる
ICOとは
従来の資金調達とは別の新しい資金調達の手法として注目されているのがこのICOです。
ICOとはInitial Coin Offeringの略で、その名前からも分かる通りIPOを模して作られたものです。
仕組みとしては、まず企業あるいはプロジェクトがトークンを発行し、仮想通貨取引所に上場します。
そしてこれを投資家に購入してもらうことで資金調達が行われます。
簡単に言えば、IPOの仮想通貨版がICOであると言うことができます。
基本的な仕組みはIPOと同じですので、そのメリットもIPOと同じということになります。
また、両者には以下のような共通点があります。
- 不特定多数の投資家から資金を集められる(企業側)
- 市場、あるいは取引所に上場することで企業やプロジェクトを宣伝できる(企業側)
- 企業やプロジェクトをバックアップできる(投資家側)
- より多くの出資者が集まれば、投資対象(株式または仮想通貨)の価値も上がる(投資家側)
IPOとICOの違い
IPOとICOには共通点もありますが、もちろん相違点もあります。
以下でそのいくつかを紹介します。
発行するものの違い
これはすでに述べたことですが、IPOとICOでは発行するものが全く違います。
IPOの場合には株式を発行するため、それを購入した投資家は議決権や株主優待などの恩恵を受けることができます。
一方、ICOの場合には仮想通貨を発行するため、そうした恩恵を受けることはできません。
主幹事の有無
IPOでは証券会社が主幹事となって株式を売り出すので、予め監査を受けてそれに合格しなければなりません。
一方のICOは証券会社を通さず企業側が自由にトークンを発行できるため、どんな会社(または個人)であっても資金調達を行うことができます。
基準の有無
IPOにはあらかじめ決められた基準がありますが、ICOにはそうしたものはありません。