多重債務はリボ払いとキャッシングを併用している場合も当てはまります。

多重債務

借金の看板を複数背負う人形

多重債務とは名称の通り、複数の債権(借金)を抱えている状態です。
広域に言えば住宅ローン、スマホの割賦購入などを含めた幅広い借金を2つ以上利用している方になりますが、実際には消費者金融等の借入が複数ある人のことを指します。
たとえば、住宅ローンとオートローンを併用している方の場合、一般的には多重債務者とは呼ばれません。

 

クレジットカードのリボ払い(ショッピング機能)とキャッシング機能からの借入を併用している場合は多重債務と捉えられます。

 

多重債務の問題点

赤い背景に問題点と書かれたスケッチブック

借金をしている人の中でも多重債務者を問題視される要因は主に次の2つです。

  • 月々の返済負担が多くなりやすい
  • 借金を完済している中で新たな借金をした履歴がある

 

多重債務は1つの金融機関から高額な借入をしている人より信用が低いと判断されます。
たとえば、1社から100万円を60回払いで借入していた場合、月々の返済額は約24,000円(金利15%)。50万円を2社からそれぞれ36回払いで借入した場合、月々の支払額は約35,000円です。

 

このように多重債務者は月々の返済負担額が大きくなり、収入に対しての支出割合が増えてデフォルト(貸し倒れ)を起こす比率が高くなります。
また、最初に消費者金融A社から50万円を借入している中で、返済せずに消費者金融B社から借入した履歴は借金の返済能力が少ない人だと判断されやすくなるので注意しましょう。

 

目的別ローンの多重債務

目的別ローンで構成される多重債務であれば、信用情報の評価が極端に低くなることはありません。
たとえば住宅ローンであればローンの返済を進めるにつれて不動産が資産になるほか、賃貸住宅の賃料が不要になります。
オートローンの場合は車を保有することで、生活費を節約できて暮らしが豊になる要素があります。教育ローンは一時的な出費として捉えられることが多いです。

 

それに対して、消費者金融からのフリーキャッシング・カードローン・クレジットカードのリボ払い、キャッシングなどは、本来は毎月の収入から工面するべき生活費がショートしていることを意味します。

 

最初の借入であればイレギュラーなケースの単発的な資金調達だと捉えられますが、完済していない中で新たな借入をする人は金銭管理ができていなく、将来的に返済遅延などの事故を起こすケースが多いです。
金融機関は過去の統計から多重債務者はリスクが大きいと判断し、追加融資には消極的になってしまいます。

 

多重債務は高金利になりやすい

まずはじめに、借金する際の金利は利息制限法によって以下のように定められています。

元金10万円未満 20%
元金100万円未満 18%
元金100万円以上 15%

 

消費者金融などのキャッシングは上限金利が適用されることが多く、100万円以下は18%が相場です。
1社から100万円以上の借入をすれば自動的に上限金利は15%になりますが、100万円未満の借入を複数社からした場合は金利18%が適用されます。
つまり、多重債務者は借入額が多くなっても全体の平均金利が高くなり、利息負担が大きくなってしまうデメリットがあります。

 

多重債務を返済した場合

多重債務でも全てを完済すれば信用情報にとってプラスの評価になります。
多重債務状態に陥ったことはネガティブに判断されますが、苦しい状況からでも遅延や債務整理をせずに完済した実績を高く評価され、住宅ローンなど新たな借入審査に悪影響は出ません。

 

なお、カードローンやクレジットカードのキャッシングなど、限度額の範囲内で繰り返し借入できるものは、完済しても限度額の上限まで借金している扱いになります。
多重債務から脱却できた場合は限度額のあるカードローンなどを解約しないと、信用情報で借金があるユーザーとして判断されるので注意しましょう。

 

多重債務からの脱却法

チェックを促すサラリーマン

多重債務に陥った時は、以下の方法で一刻も早く多重債務状態からの脱却を目指しましょう。

  • 貯蓄を切り崩すか賞与を活用するなどして一部の借金を完済する
  • おまとめ(借換)ローンで1社にまとめる
  • 債務整理

 

多重債務者は、貯金を持っているけど家族に隠れて借金を繰り返している方が意外に多いです。
多重債務状態は利息の負担が大きく、どんどん深刻な状況へ悪化しています。お小遣いなど自身の収入と支出のバランスが崩れた場合は、一刻も早く家族へ相談してください。
借金を繰り返した過去は完済しない限り消えませんので、助けを求められる相手がいる場合はプライドを捨てて早期相談することが大切です。

 

家庭の収入や貯蓄の関係で自力での早期対処が難しい場合は、おまとめローンで返済先を1社にまとめる方法がおすすめです。
金利を下げ、1社の長期返済に組み替えることで月々の返済額を大幅に削減できるケースがあります。長期遅延を起こしていない状況で、借金の総額と収入のバランスが崩れていないのであれば、おまとめローンの審査は比較的スムーズに通ります。

 

おおよその目安として、貸金業者の貸付限度額とされる年収3分の1以下の借金で遅延がない状況なら、スムーズに審査をパスできるでしょう。
借金の総額が膨れ上がっている方や既に長期遅延を起こしている場合は債務整理を検討してください。

 

債務整理は全額をチャラにする自己破産のほかに、将来の利息の停止と長期返済へ組み替えて無理なく返済する任意整理など複数の種類があります。

 

債務整理はブラックユーザーの扱いになりますが、既に長期遅延でブラックになっている方や、将来的に返済が滞る可能性が高い状況なら債務整理をするデメリットはありません。
いずれにしても、利息が膨らむなど状況が悪化する前に早く手を打つことが大切です。