質屋の利用
借金の借入先は銀行法・貸金業法に則った業者(金融機関)のほかに、質屋営業法で認可を受けた質屋店もあることをご存じですか?
質屋の利用は担保に入れる品物が必須になりますが、担保評価さえあれば個人情報の審査不要で利用することができます。
質屋を利用する方法と借入条件、注意点をまとめました。
質屋を利用する流れ
- 質入れする品物を持って査定を受ける
- 条件提示
- 契約、現金による貸付
- 期日までに利息を添えて返済
質屋を利用する流れはシンプルに上記4ステップです。
期日までに利息を添えて返済できなかった場合は、質流れとなり預けていた商品の権利は質屋へ移行します。
借入条件
金利 | 原則18%(利息制限法の範囲内)、利息は1ヶ月単位 |
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借入期間 | 主に3ヶ月 |
遅延損害金 | なし(返済できなければ品物を没収される) |
詳細は各店舗ごとに若干異なる場合がありますが、大半のケースで金利18%前後、借入期間は3ヶ月に設定されています。
消費者金融やカードローンは利息が日割り計算ですが、質屋は基本的に1ヶ月単位の金利が必要です。
たとえば質屋で借金して翌日に返済しても1ヶ月分の利息が発生し、1ヶ月を1日でも過ぎれば2ヶ月目の利息が発生します。
借入可能額は質入れの品物評価額によって変わりますが、買取額と比べて75~90%ほどが目安です。
品物のカテゴリー(腕時計、バッグなど)と価格帯によって買取査定と質査定の差額が変動します。
質屋の買取相場自体がメルカリなどのフリマアプリよりも安い水準です。質屋の利用に興味を持った方は、まずは査定を受けることから始めてください。
返済できる目処がない場合は、質入れではなく買取をおすすめします。
質屋は2006年以降に激減しました。その要因は改正貸金業法によって従来のグレーゾーン金利(上限29.2%)が認められなくなり、利息制限法(上限15~20%)が適用されるようになったことが関係しています。
質屋は査定の手間が必要なため、法規制で金利が引き下げられてから質入れを扱わずに、買取のみを行う店舗が急増しました。
質屋の数は減りましたが、大手チェーンの大黒屋をはじめ、借金できる質屋は現在も多数あります。
質屋営業法は管轄の警察署へ申請して許認可を取らないといけません。
通常の買取のみを行う古物法よりも厳しく、質屋営業法の許認可を取るには預かった品物の保管庫を用意するほか、店舗内装の設計と仕上がりを担当警察官にチェックしてもらう必要があります。
古物法よりも厳しいですが、貸金業法に比べると大幅にハードルが下がり、資金力のない個人でも店舗出店費用さえ工面すれば比較的簡単に質屋を開業できます。
質屋のメリット
質屋のメリットは利用者個人に対する審査が一切なく、万一返済できなくてもブラックユーザーにならないことです。
借金の扱いですが、キャッシングやローンとは違って信用情報機関の照会・登録が行われません。
ブラックや無職でも質入れする商品さえあれば、質査定額の範囲内で借入可能です。
また、勤務先への在籍確認の電話がないので、15~30分程の商品査定を経てスピーディーに資金調達できるメリットがあります。
審査や返済できなかった時の信用リスクを懸念している方は、質屋の利用を検討してみてください。
質屋のデメリットは返済できないと品物を没収され、買取に比べて質査定の条件が悪くなることです。
つまり、質屋は審査に何かしらの問題・不安を抱えているけど、3ヶ月以内に返済できる自信がある方に向いています。